33歳で倒れてから、ずっと病院通いの私の生活 ~腎臓病と虐待と

33歳でめまいを発症し起き上がれなくなる。以後いくつもの病院を行脚し、現在はIgA腎症を治療中。

第一回 LGBTQ+に関する喫緊の課題

私は2023年1月に人生で初めて入院生活というものを経験した。
検査入院で数日の間のことだったが、未知の体験ばかりでかなり勉強になった。
というのは、あらゆる面から医療現場での問題や課題が見えたからだ。

その一つとして、喫緊の課題だと思ったのはタイトル通りの「LGBTQ+に関する」ことである。
まず私が入院に関する説明を受けたとき、セクシュアリティに関して何か伝えたいことがあるか、全く聞かれなかったこと。
私は医師の診察を受けた後に入院が決定したので、もしセクシュアリティに関して何か伝えたいことがあれば先生に話していただろう。
セクシュアリティについては患者側からは中々切り出しにくい事でもあるから、医療者側から普通のこととして聞いてくれると良いなと思った。最早、普通の問診の一つとして。
LGBTQ+当事者が医療機関に罹る場合、個々の事情や過去の経験から嫌な思いをしたことがある人がたくさんいるというのを、
今回調べて知った。
私が入院したときに思ったのは「トランスジェンダーの人は希望の部屋(女性部屋、男性部屋)が選べるの?トイレは?」
ということだったのだが、退院してよく考えたら問題はそれだけでは無かった。
LGBTQ+当事者は個室を取れば良いという事でも無い。
しかも今はコロナ禍で、平時ではなく有事である。私が入院した病院は、コロナ患者のために個室はなるべく開けているという。
なので簡単に希望しただけで個室は取れない。
でも待って、LGBTQ+当事者が個室を取らなければいなんておかしい。個室には差額ベッド代が発生する。一日で1万円~上は3万円以上。当事者だからって自費で高額を負担するのはおかしい。

そして先だっての元首相秘書官のひどい差別発言(2023年2月)を聞き、同性婚の法整備を迅速にやらないといけないということも実感した。
このコロナ禍で家族等の面会は基本、出来ないようになった。出来るのは荷物のやりとりを看護師さんにお願いすることと、病状や手術の説明を医師と患者と家族で聞くときに再会するくらいである。
高齢の患者さんなどは、慣れない環境で家族にも会うことも出来ず、不安定になっていらっしゃる方もいた。

もし患者が重篤になった場合など、病院によっては家族しか面会できないことがあるが、同性のパートナーがいる方の場合はそれがコロナ禍だろうと普段の日常であろうと許されない事がある。たとえ何十年連れ添った仲であっても。
実の家族と絶縁状態の方もいらっしゃるだろう。
「パートナーシップ証明書」を発行する自治体も増えてきてはいる。こういった医療面などでは役立つけれど、法的な効力が無いのが現状である。

コロナ禍にあって面会が出来ないという病院の中での異常な事態が、同性愛者の方には平時からずっと押し付けられてきた事実であること。
これはとてつもない人権侵害であると思う。日本政府は今すぐにLGBTQ+に関する同性婚の権利と法整備をする必要がある。