33歳で倒れてから、ずっと病院通いの私の生活 ~腎臓病と虐待と

33歳でめまいを発症し起き上がれなくなる。以後いくつもの病院を行脚し、現在はIgA腎症を治療中。

第九回 年齢を重ね酷くなっていく月経と、病院通い生活の始まり④ 子どもを産むかどうか

前回の続きです。

結婚したときに、世間ではちょうど、「女性の卵子の老化は三十三歳から始まる」といった言説があちこちで報道されていました。

同時に「孤独死」のニュースもよく見ました。

どちらも人を不安にさせる要素満載の内容ですが、今考えると何か意図的なものを感じますね。

不安を煽っておいて、それでも結局出生率は上がらなかったので、今になって見当違いな子育て支援対策ばっかり打ってますね。


今思うと不思議ですが、結婚する前、私も不安になっていた一人でした。

「子どもを絶対に産みたい!」と思っていたわけでは無いのに、リミットが近いと言われると何か焦る。

その焦った気持ちを持ちつつ結婚しました。ちょうど三十三歳です。

いざ結婚したら、家計の状態が子どもを持つには厳しいし(夫は大丈夫だと言うが私は無理だと思った)、私は結婚するときにパート仕事を一度辞めていました。

引っ越し先から通うには物理的に無理があったので。

そうすると、今から新たに仕事を探し妊活をすることになるけれど、仕事が決まったばかりで「妊娠しました」とか、言えるわけなくね・・・?

焦って考えていたら、頭がパンクしそうになりました。多分パンクしてました。

ですが一度パンクして冷静に考えた結果、私は人生で一度も本気で「子どもを産みたい」と思ったことが無いと気づいたのです。

三十歳を過ぎると結婚に対してすごく焦りが出てきて、周りからもうるさく言われて、世間体の方に合わせなきゃと、ずっと思っていたのです。

結婚→子ども(世間体)の呪いにまんまとかけられていたのです。

私は虐待されて自尊心低いし、自分の見た目も好きじゃ無いので自分に似た子どもが生まれたら辛いのではないか、そもそも育てる自信も無いよ、と考えれば考えるほど「子ども産まない」方に傾いていきました。

呪いが解けて、天井からキラキラした何かが降ってくるような感じがしました。

新しい自分を発見した気分でした。


この「子どもを持つかどうか問題」で頭がパンクしたことも、ストレスの大きな要因になっていたと思います。

今こうして振返ると、このあと体調を崩したし今も全快はしていないので、やはり子どもを持たなくて良かったと思います。

現代の若い人、これから子どもを持つかどうか考えている人たちからこの手の相談を受けると、ちょっと先を生きている私たち世代は必ず、「リミットと子どもを持たなかった場合の後悔の話」を釘を刺すようにアドバイス(クソバイス)してしまう人が多いように見受けられるんですが、「子どもを欲しいと思っていない」人は何歳になってもその気持ちは変わらない気がします。

今読んでいる、『母親になって後悔してる』(オルナ・ドーナト著 鹿田昌美/訳 新潮社)は「母親になるか迷ってる」人に是非読んでいただきたい本です。

イスラエル社会学者による本ですが、日本では母親の本音をここまで書いている本はまだ見当たらないし、SNSでも見られない意見が満載でとても勉強になります。


次回へ続きます。